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精密栄養学

遺伝子

遺伝子が語りかける"本当の自分"とは?  

今回は、「遺伝子」という観点から見る精密栄養学についてお話しをしたいと思います。



1. 血液検査から見えてきた自分の姿


前回同様の内容になりますが、カウンセリングをしてくださった先生からの指摘は次の通りでした。

  • 肝機能をはじめ全体的な数値は良好

  • 2年以上続けている糖質制限が体に合っている

  • 脂質を中心としたエネルギー回路が回っている

  • 慢性的なストレスによる炎症の可能性

  • ミネラルがストレスや炎症への対応で消費されている

  • 結果的にドーパミン(意欲)からノルアドレナリン(実行力)への変換がスムーズでない可能性がある

ここで注目したいのは「栄養状態がメンタルに影響を与える」ということです。

私の場合、ストレスでビタミンCやマグネシウムが消費され、鉄分や銅も理想値より低めでした。

  • マグネシウム:2.1 mg/dL(理想 2.4-2.6)

  • 血清鉄:76 ug/dL(理想 100-120)

  • 血清銅:88 ug/dL(理想 80-120)

鉄が不足するとドーパミンやセロトニンの合成が低下し、意欲の低下や抑うつにつながります。また、マグネシウム不足は不安や不眠のリスクを高めます。

さらに、ドーパミンからノルアドレナリンを作るには「DBH」という遺伝子と、銅・ビタミンCといった補因子が必要です。これらが不足すると行動に移すためのノルアドレナリンが十分に作られず、何かに興味や意欲を持ち、ドーパミンが発生したとしても、実際に行動に移そうとするときにスムーズにノルアドレナリンが代謝されず、結果的に行動を躊躇してしまうという傾向が現れます。

例えば「周りの人はどう思うだろうか?」「これをしたら大丈夫だろうか?」という思いが頭を巡り、結果として興味や意欲はあるのに、行動できずにモヤモヤだけが残ってしまうという状態になってしまいます。

すると、脳内にドーパミンが蓄積し、不安感や精神的な不安定さにつながってしまうことがあるのです。

この検査結果はこれまでの私の経験や体感とも一致し、とても興味深く感じられました。



2. 遺伝子が影響するメンタルや体質


ここまで、「栄養状態がメンタルに影響を与える」と言う観点から私自身の検査結果と現状をもとにお話をしてきましたが、もう一つ考慮しなければいけないのは、私たちがもともと持っている「遺伝子」です。

そもそも遺伝子とはDNAに書かれた設計図のようなもので、酵素やホルモン、神経伝達物質を作る情報が含まれています。配列に個人差があり、それを「遺伝子変異」と呼びます。変異は病気のリスクだけでなく、体質やメンタル傾向といった個性にも関わっています。

代表的な遺伝子の例:

  • DAO:ヒスタミン分解。変異で頭痛や不安感が出やすい。

  • HNMT:脳内ヒスタミンを分解。不眠や集中力低下に影響。

  • COMT:ドーパミン・アドレナリン分解。分解が遅いと不安傾向。

  • MTHFR:葉酸の代謝。変異でセロトニン・ドーパミン合成が低下。

  • MAO:セロトニン・ドーパミン分解。活性の強弱で気分変動に影響。

  • VDR:ビタミンD受容体。変異でストレス脆弱性に関わる。

今回私が受けたのは血液検査だけでしたが、遺伝子検査を受ければさらに自分の体調や体質の根本原因やメカニズムを詳しく理解できる可能性があります。(ちなみに以前に遺伝子検査や有機酸検査を受けたことがあるのですが、今回はあくまでも血液検査だけをもとに診断してもらっています。)

わかりやすく言えば、下記のようなイメージです。

遺伝子(先天的要因)+ 食事やライフスタイル(後天的要因)= 現在地(体調・気分)

近年では、自然療法医ベン・リンチ博士の著書『Dirty Genes』でも指摘されているように、遺伝子の働きは食事や生活習慣といった環境要因で変化します。つまり「遺伝だから仕方ない」ではなく、ライフスタイル次第で改善が可能だとされています。

例えば、もともとCOMTに変異がありドーパミンの分解が遅く、不安が出やすい体質の方でも、マグネシウムや葉酸、ビタミンB12などを適切に補給することで、その傾向を抑えられる可能性があります。



3. 身近な遺伝子の例


さて、ここでは私たちの日常生活に直接関わる、遺伝子変異の例をいくつか見ていきましょう。

アルコール代謝

影響:アルコールの分解スピード、酔いやすさ、顔の赤くなりやすさ
関わる遺伝子:ADH1B

変異あり:代謝が速すぎてアセトアルデヒドが一気に増え、顔が赤くなりやすい。日本人は高頻度でこの型を持つ。


カフェイン代謝

影響:カフェインの作用時間、不眠や動悸などのリスク
関わる遺伝子:CYP1A2

変異あり・代謝が遅いタイプ → カフェイン作用が長引き、不眠や動悸のリスクが高まる。
変異あり・代謝が速いタイプ → カフェインの効果が早く消えやすい。


ヒスタミン代謝

影響:アレルギー反応(鼻炎、蕁麻疹)、頭痛、精神安定、消化機能、覚醒の維持
関わる遺伝子:DAO

変異があると:ヒスタミン分解が遅くなり、頭痛・不安・イライラ・鼻炎などの症状が出やすい。

このように、私たちがこれまで何となく「体質だから」とか「一時的な症状」と片付けていたものが、遺伝子や現在までのライフスタイルや栄養状態によるものであり、改善できる可能性があるのです。



4. 本来の自分は 「感覚優位型」だった!?


最後に先生から、「鈴木さんは、モロに感覚優位型のはずですね」と言われました。

この先生は非常に面白い方で、西洋医療をはじめ東洋医療やその他の様々な医療分野にも幅広い知見をお持ちです。

また、数々のカウンセリングや遺伝子を分析されてきたご経験から、一般的な先生が血液検査結果から読み取れる内容に加えて、結果項目間の全体的なバランスなどから、独自の見解を導き出すことができるようです。

ここで言う「感覚優位型」とは、

  • 直感的な判断力に優れる

  • 環境のエネルギーや雰囲気に敏感

  • 論理よりも感覚で判断しやすい

このような特徴を持っているはずとのことでした。

思い返すと、20代は論理思考を重視しキャリアを積んできましたが、30代以降になってデザインや動画制作といった感覚的な領域の方が成果を出しやすいことに気づいた経験がありました。今回の診断で、何となくそれが腑に落ちたような感覚がありました。



5. 慢性的なストレスの本質的な原因


加えて先生からは、「本来の感覚型の特質を活かしきれず、論理的思考に頼りがちになっているため、本来の能力と実際の行動にギャップが生じ、それがストレスとなっている可能性がある」と指摘されました。

つまり、これが私自身の課題であり、慢性的に抱えてきたストレスの本質的な原因なのかもしれません。

もしかすると、再び仕事やライフスタイルを大きく見直す契機かもと感じました。

ただし、これらの見立てはあくまでも可能性の範囲での話であり、必ずしも断定されるものではありません。



6. まとめ


遺伝子という先天的な要因と、食事・生活習慣といった後天的な要因を合わせて理解を深めることで、自分自身の特性や課題をより詳しく知ることができるかもしれません。

何かキャリアや人生に行き詰まりを感じている、新しい視点が欲しいと言う方は、精密栄養学や遺伝子検査などを試してみるのもおすすめです。