尿素窒素は何を表す数字か
三大栄養素のうち、窒素を含むのはたんぱく質だけです。食べたたんぱく質はアミノ酸に分けられ、筋肉や酵素、ホルモンの材料になります。使われずに余ったアミノ酸は分解され、そのときにアンモニアが出ます。
アンモニアは体にとって負担の大きい物質なので、肝臓が尿素回路という仕組みで尿素に変えます。この変換には、細胞のエネルギー(ATP)が使われます。できた尿素は血液に入って腎臓まで届き、尿として体の外へ出ていきます。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| 女性 | 8〜20 mg/dL | 14〜17 mg/dL |
| 男性 | 8〜20 mg/dL | 15〜17 mg/dL |
一般の基準範囲は、日本臨床検査医学会が示す共用基準範囲です。結果票では「UN」や「尿素窒素」と書かれていることもあります。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。基準範囲の下のほうにある値も、精密栄養学では低めと読むことがあります。
低めのときに考えられる背景
- 肉や魚、卵などのたんぱく質が、食事の中で少ない
- 胃酸が少ないなど、たんぱく質を分解・吸収しにくい状態
- 食事の量が少なく、尿素を作るためのエネルギーが足りない
- 水分を多くとっていて、血液が薄まっている
- 妊娠中で、血液の量が増えている
- 肝臓の病気など、医療機関で確かめるべき原因
高めのときに考えられる背景
- 水分が足りず、血液が濃くなっている
- プロテインなどで、たんぱく質を多くとっている
- 食事が足りず、筋肉を分解してエネルギーに回している
- 腎臓の働きや消化管からの出血など、医療機関で確かめるべき原因
クレアチニンも一緒に高めのときは、食事より先に腎臓の働きを確かめます。
ほかの項目と合わせて読む
BUNは、総蛋白・アルブミン、クレアチニン、尿酸と並べて読みます。アルブミンとBUNがそろって低めなら、たんぱく質が足りていない流れと考えます。アルブミンは基準内なのにBUNだけが高めなら、脱水かたんぱく質のとりすぎを考えます。
尿酸は高めなのにBUNが低めのときは、たんぱく質をうまく代謝できていない理由がないかを見ます。糖質に頼ったエネルギーの作り方に傾いていることもあります。ヘマトクリットが高めなら、脱水で血液が濃くなっている流れと合っています。
暮らしで見直せること
低めのときは、肉、魚、卵、大豆製品を毎食少しずつ足していきます。消化に不安があるときは、よく噛む、食事の前に酸味のあるものをとるなど、胃の働きを助けることから始めます。
高めのときは、まず水分が足りているかを見直します。プロテインを多く飲んでいる場合は、量を減らしたり、食事からとる形に寄せたりすることを考えます。腎臓の働きに心配があるときは、たんぱく質の量を自分で決めず、医療機関で相談してください。
医療機関に相談したい目安
- 結果票に、再検査や精密検査の案内がある
- クレアチニンも高い、または尿の量が大きく変わった
- 便が黒い、むくみや息切れが続く
- BUNが基準範囲を大きく外れている
よくある質問
BUNが低いのは、腎臓にとってよいことですか?
低いこと自体は、腎臓の働きが悪いという意味ではありません。ただし精密栄養学では、14を切るとたんぱく質の不足や、たんぱく質を使う力の弱さを考えます。総蛋白やアルブミンと並べて見ると確かです。
検査の前日に肉を多く食べると、BUNは上がりますか?
上がることがあります。BUNは、検査前の食事や水分の状態でも動きやすい項目です。1回の値で決めず、前回の結果と比べてどちらに動いているかを見ます。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。