総蛋白とアルブミンは何を表す数字か
総蛋白は、アルブミン(約6割)とグロブリン(約4割)を合わせた量です。アルブミンは血管の中に水分を保ち、脂肪酸やミネラル、ホルモンと結びついて全身へ運びます。グロブリンには、免疫に関わる抗体や、鉄や銅を運ぶたんぱく質が含まれます。
食べたたんぱく質は、胃や膵臓の消化酵素でアミノ酸に分けられ、小腸から吸収されて肝臓に届きます。肝臓は、このアミノ酸を材料にしてアルブミンを作ります。食べる量、消化・吸収、肝臓で作る力のどこかが落ちると、数字は下がっていきます。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| 総蛋白 | 6.6〜8.1 g/dL | 7.2〜7.5 g/dL |
| アルブミン | 4.1〜5.1 g/dL | 4〜4.5 g/dL |
一般の基準範囲は、日本臨床検査医学会が示す共用基準範囲です。お手元の結果票に印字された範囲もあわせて確かめてください。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。総蛋白とアルブミンは脱水で高めに出るため、高い値だけで足りていると決めないようにしています。
低めのときに考えられる背景
- 肉、魚、卵、大豆製品など、食事のたんぱく質が少ない
- 胃酸や消化酵素の働きが弱く、分解・吸収しきれていない
- 糖質や脂質も含めて、食事の量そのものが少ない
- 体のどこかで炎症が続いている
- 肝臓や腎臓の病気、出血など、医療機関で確かめるべき原因
食後に胃が重い、肉や魚でお腹が張るといったことが続くときは、食べる量より先に消化の側を見ます。
高めのときに考えられる背景
高めに出たときに、まず考えるのは脱水です。血液の水分が減ると、たんぱく質の濃さが上がって見えます。ヘマトクリットや尿素窒素(BUN)も一緒に高めなら、脱水の流れと合っています。
アルブミンは高くないのに総蛋白だけが高いときは、グロブリンが増えていることがあります。慢性の炎症や免疫の病気など、医療機関で確かめるべき背景が含まれるので、結果票の案内に従ってください。
ほかの項目と合わせて読む
総蛋白は「たんぱく質の量」、尿素窒素(BUN)は「たんぱく質を分解して使ったあとの量」を表します。アルブミンとBUNがそろって低めなら、たんぱく質が足りていない流れと考えます。アルブミンは基準内でBUNだけが高めなら、脱水かたんぱく質のとりすぎを考えます。
精密栄養学では、アルブミンとグロブリンの比(A/G比)1.8〜2.0も目安にし、どちらが減っているかを見ます。胃の働きを表すペプシノーゲンや、CRPと並べると背景を絞りやすくなります。
暮らしで見直せること
たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆製品から、一度にまとめず毎食少しずつとります。よく噛むことや、食事の前に梅干しやレモンなど酸味のあるものをとることも、胃での分解を助けると言われています。
たんぱく質やアミノ酸のサプリメントを使うかどうかは、消化の状態や腎臓の働きもふまえて、医療機関で相談してから決めてください。
医療機関に相談したい目安
- 結果票に、再検査や精密検査の案内がある
- 足や顔のむくみが続く、尿の泡立ちが気になる
- 食事をとれているのに、体重が減り続ける
- 総蛋白が基準範囲を大きく上回っている
よくある質問
アルブミンが基準内なら、たんぱく質は足りていますか?
足りているとは限りません。脱水があると高めに出るため、本来の値より高く見えていることがあります。尿素窒素(BUN)やヘマトクリットと並べて見ると確かです。
プロテインを飲めば、総蛋白は上がりますか?
量を増やしても、消化・吸収が追いついていないと上がりにくいことがあります。とりすぎると、尿素窒素(BUN)が高めに出ることもあります。まずは食事のたんぱく質と、消化の状態から見直します。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。