血液検査の項目ガイド / フェリチン

BLOOD TEST GUIDE

フェリチンが低い・高いと言われたら

2026年10月11日更新|文・鈴木雄太(精密栄養カウンセラー)

フェリチンは、肝臓などに蓄えてある鉄の量の目安になる項目です。鉄が足りなくなるときは、蓄えのフェリチンが先に減り、ヘモグロビンが下がるのはそのあとです。そのため、ヘモグロビンが基準範囲に入っていても、フェリチンだけが低いことがあります。

一般の基準範囲は下限が一桁から20前後と広く、精密栄養学では女性50〜80 ng/mL、男性100〜150 ng/mLを目安に見ます。

フェリチンとヘモグロビンの違い

鉄は、酸素を運ぶヘモグロビンの材料です。細胞の中でエネルギーを作る酵素や、気分や集中に関わる神経伝達物質を作る過程でも使われています。

ヘモグロビンは、いま血液の中で酸素を運んでいる鉄の量に近い数字です。フェリチンは、体に蓄えてある鉄の量に近い数字です。鉄が減り始めた段階では、ヘモグロビンだけを見ていても気づきにくいということです。

一般の基準範囲と、精密栄養学の目安

一般の基準範囲精密栄養学の目安
女性5〜150 ng/mL50〜80 ng/mL
男性20〜250 ng/mL100〜150 ng/mL

一般の基準範囲は検査機関によって違い、表の値はおおよその例です。お手元の結果票に印字された範囲を確かめてください。フェリチンは健診の基本項目に入っていないことが多く、追加で頼んで測る項目です。

一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。

低めのときに考えられる背景

疲れやすさ、息切れ、朝の起きにくさ、集中の続きにくさとして感じることがあると言われています。

高めのときに考えられる背景

フェリチンは、体のどこかに炎症があるときにも上がります。高いからといって、鉄が足りているとは限りません。CRPなど炎症の項目と合わせて見ます。肝臓に負担がかかっているとき、飲酒が多いとき、鉄が体にたまりやすい体質のときにも高くなることがあります。

ほかの項目と合わせて読む

フェリチンは、ヘモグロビン、MCV(赤血球の大きさ)、血清鉄、CRPと並べて読みます。MCVが小さめで、フェリチンも低めなら、鉄が足りていない流れと合っています。フェリチンが高めでも、CRPが高ければ炎症の影響を考えます。

前回の検査と比べて、どちらに動いているかも大切です。

暮らしで見直せること

鉄は、赤身の肉や魚、あさりなどの貝、レバーに多く含まれます。肉や魚の鉄は、野菜や豆の鉄より吸収されやすいとされています。ビタミンCを含む野菜や果物を一緒に食べると、吸収を助けます。お茶やコーヒーは鉄の吸収を下げることがあるので、食事の前後は少し時間を空けます。

鉄のサプリメントは、量によっては胃腸の負担になったり、とりすぎになったりします。使うかどうかは、医療機関で相談してから決めてください。

医療機関に相談したい目安

よくある質問

ヘモグロビンが基準内なら、鉄は足りていますか?

足りているとは限りません。鉄が減るときは蓄えのフェリチンから先に減るため、ヘモグロビンが基準内でもフェリチンが低いことがあります。両方を並べて見ると確かです。

フェリチンは健康診断で測れますか?

一般的な健診の基本項目には入っていないことが多い項目です。追加の項目として頼むか、医療機関で相談してください。

一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。

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※ このページは、精密栄養学の考え方と筆者の学びにもとづく一般的な情報です。検査値から病気の有無を判定したり、治療を行ったりするものではありません。数値の受け止め方や対応は、結果票の案内に従い、医療機関にご相談ください。