Q血液検査は、どこで受ければいいのですか?また、項目はたくさんある方がいいのでしょうか?
Aまず、「どこで受けるか」についてお答えします。
日本にお住まいなら、身近なのは職場や自治体の健康診断で行う血液検査です。ここからでも、読み取れることはかなりあります。もう少し項目を増やしたい時は、人間ドックや、クリニックでの自費の血液検査という選択肢があります。
海外にお住まいの場合は、まずGP(かかりつけ医)にご相談ください。紹介状を書いてもらい、検査機関(pathology)で採血する、という流れになります。
次に、「項目の数」について。
こちらは、基本的には項目が多い方がわかることも多い、とお答えしています。
なぜなら体の状態は、ひとつの指標だけで見きわめられるほど単純ではないからです。
たとえば「疲れやすい」という同じ訴えでも、鉄が足りないのか、甲状腺の働きが落ちているのか、血糖が乱高下しているのか、炎症が続いているのか。背景はさまざまです。しかも、それらは重なって起きていることのほうが多い。
ひとつの数値だけを見ていると、それらの深掘りがしづらいのです。でも、複数の項目を並べて、互いの関係を読んでいくと、「この数字がこう出ているなら、背景にあるのはこちらではないか」と、一段深いところまで考えやすくなります。
そして、もうひとつお伝えしたいのは、血液検査結果の基準値の違いです。
一般的な健康診断などで行う血液検査と、精密栄養学の観点から行う血液検査では、基準とする数値が大きく異なります。
まず、一般の健診で使う基準範囲は、健康な人の大多数が収まる幅の基準値が設定されています。
そこに入っていれば「異常なし」。
つまり、病気なのか、病気ではないのか、それを判断するための指標です。
皆さんも、健診で「問題ありません」と言われたのに、なんとなく不調が残っている、そんな経験はないでしょうか?
一方で精密栄養学では、そこに「理想値」という別の目盛りを重ねます。病気でない状態ではなく、その人がいちばん調子よく動けている時に示す値。だから、この範囲はぐっと狭くなります。
いくつか例を挙げてみます。
血糖なら、空腹時で80〜90mg/dL。HbA1cは5.0〜5.3%。中性脂肪は70〜90mg/dL。
鉄の貯金にあたるフェリチンは50〜80ng/mL。ビタミンD(25-OH)は60〜80ng/mL。
鉄やビタミンDは、検査をせずに自己判断で大量に摂ることは避けてください。
健診の紙で「異常なし」だった項目が、この目盛りではまだ届いていない。そういうことも、めずらしくありません。
ただし理想値は、目指す先を示すためのものであって、自分を責めるためのものではありません。僕自身、届いていない項目はいくつもあります。第1章に書いたコルチゾールの13μg/dLも、そのひとつです。
なお、INNERTRAVELER.aiでは60項目の血液検査を受けられるクリニックをご紹介できます。ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。なお、この検査は公的医療保険の適用外(自由診療)となります。
項目をたくさん揃えることは、あくまで手がかりを増やすことです。いま何にお困りなのか。どんな時に、どうつらいのか。どんな暮らしをされているのか。それを精密栄養カウンセラーである僕がしっかりお伺いした上で、食事や休み方をどう組み立てていくかを、AIには代替できない「あなた自身を見る」という視点から一緒に考えていきます。
ただし、病気があるかどうかの判断や、検査結果を医学的に読み解くことはしません。それは医師の仕事です。気がかりな症状のある方は、まず医療機関を受診してください。
この回答は、メルマガ Vol.09(2026年7月26日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。