ビタミンDは何を表す数字か
ビタミンDは、日光の紫外線を浴びた皮膚で作られるほか、魚やきのこ、卵黄からもとれます。体に入ったビタミンDは、肝臓で25-OHビタミンDに変わって血液をめぐります。必要なときに腎臓で活性型に変わり、ホルモンのように働きます。
活性型のビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を進め、腎臓では尿に出るカルシウムを減らします。骨を作る細胞と壊す細胞の釣り合いも整えます。免疫細胞にも働きかけ、過剰な反応を抑える役目があります。気分の安定に関わるセロトニンを作る過程にも関わっていると言われています。
活性型は量が少なく、短い時間で変わりやすい形です。そのため、体の蓄えを見るときは25-OHビタミンDを測ります。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| 25-OHビタミンD | 30 ng/mL以上で充足 | 60〜80 ng/mL |
| カルシウム | 結果票の範囲 | 8.5〜10 mg/dL |
| マグネシウム | 結果票の範囲 | 2.4〜2.6 mg/dL |
日本内分泌学会などの判定では、30 ng/mL以上を充足、20〜30を不足、20未満を欠乏としています。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。精密栄養学の60〜80は、一般の「充足」の線より高いところに置いた目安です。
低めのときに考えられる背景
- 屋内で過ごす時間が長い、冬や日照の少ない時期
- 日焼け止めや衣服で、肌に日光が当たる時間が少ない
- 魚や卵、きのこを食べる機会が少ない
- 胆汁の流れや腸の状態などで、脂質を吸収しにくい
- 体脂肪が多く、ビタミンDが脂肪の中にとどまっている
- 肝臓や腎臓、腸の病気など、医療機関で確かめるべき原因
ビタミンDは脂に溶けるビタミンで、食事の脂質と一緒に、胆汁の助けを借りて吸収されます。精密栄養学では、亜鉛と並んで、小腸の粘膜を保つために欠かせない栄養素と考えています。
高めのときに考えられる背景
精密栄養学の目安を大きく超えるときは、多くはサプリメントによるとりすぎと考えます。ビタミンDは脂に溶けて体にたまりやすく、とりすぎると血液のカルシウムが高くなりすぎることがあります。吐き気やだるさ、のどの渇き、尿の増加が続くときは、医療機関で相談してください。
ほかの項目と合わせて読む
ビタミンDは、カルシウム、マグネシウム、ALPと並べて読みます。ビタミンDを活性型に変える酵素は、マグネシウムを使って働きます。精密栄養学では、マグネシウムが低めのままだと、ビタミンDをとっても働きにくいと考えます。
ビタミンDが高めで、カルシウムも目安を超えているときは、とりすぎを考えて医療機関で確かめます。ビタミンDとビタミンK2は、組み合わせて働く栄養素です。ビタミンDが腸からカルシウムを取り込み、ビタミンK2がそのカルシウムを骨に沈着させます。
暮らしで見直せること
晴れた日に、顔や腕に日光が当たる時間を作ります。日焼けをしすぎない範囲にとどめ、季節や住む地域によって時間を変えます。
鮭やいわしなどの魚、卵黄、きのこを、毎日の食事に入れます。脂質を極端に控えていないか、便通が滞っていないかも見直します。どちらも、ビタミンDの吸収に関わるためです。
ビタミンDのサプリメントは、量によってはとりすぎになります。使うかどうかと量は、血液検査の値をもとに医師と相談してください。そのときは、マグネシウムが足りているかも一緒に確かめます。
医療機関に相談したい目安
- 20 ng/mLを下回る値が出た
- サプリメントを使っていて、精密栄養学の目安を大きく超えている
- 骨や筋肉の痛み、力の入りにくさが続く
- 骨折しやすい、骨密度が低いと言われた
- 吐き気やのどの渇き、尿の増加が続く
よくある質問
ビタミンDは、健康診断で測れますか?
一般的な健診の基本項目には入っていません。人間ドックの追加項目として頼むか、医療機関で相談してください。結果票では「25-OHビタミンD」や「25(OH)D」と書かれています。
ビタミンDは、高ければ高いほどよいのですか?
そうではありません。精密栄養学では60〜80 ng/mLを目安にしていますが、高すぎると血液のカルシウムが上がりすぎることがあります。サプリメントで上げるときは、値を測りながら医師と相談して進めます。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。