Q血液検査をするたび、自分に足りない栄養素がわかると、ついサプリを増やしてしまいます。どうしたらいいでしょうか?
A実は僕にも、同じような経験があります。
しっかり食事はとっているのに、タンパク質、ビタミンC、ビタミンD3、マグネシウム、亜鉛などの値が理想値よりも低かったことが、ある時に受けた血液検査でわかりました。
以前から飲んでいたサプリに加えて、これらを追加で補おうとしたら、1日で10種類近いサプリを飲むことになってしまいました。。
とりあえず飲み始めたものの、どれが効いているのかよくわからない。
その上、毎月のサプリ代も、決して安くはありません。
そんな状態を数ヶ月続けた後で、疑問が出てきました。
“なんでこんなにサプリを飲んでいるんだっけ?”
正直に言えば、「不安だから」という理由でした。
より健康になって、心も体も軽くなることを目指していたのに、蓋を開けてみたら、自分から不安の種を探しに行って、そんな気持ちに蓋をするためにサプリを増やしていたように思います。
もちろんそれによって血液検査の数値が良くなったり、体感が改善した部分も多々あるのですが、不安を打ち消すために飲んでいたと言う部分も少なくありませんでした。
これはあくまでも僕の個人的な体験ですが、精密栄養学の視点から皆様にお伝えしたいことは、下記の2つです。
ひとつめは、飲み合わせです。
実はサプリメントには、互いに効果を高め合うものもあれば、打ち消し合ってしまうものもあります。たとえばビタミンD3とマグネシウムは助け合う関係にありますが、一方で銅と亜鉛は拮抗する関係にあります。どちらかを増やせば、どちらかが減ってしまう、そんな関係性です。
もうひとつは、栄養素を代謝する内臓への負担です。
飲んだものは、肝臓や腎臓を通っていきます。種類が増えるほど、そこにかかる仕事も増えていくことになります。つまり過剰なサプリは、内臓に負担をかけてしまうのです。
そして、ここからは少し違う角度のお話です。
アーユルヴェーダには、「人は食べたものでできているのではなく、消化したものでできている」という考え方があります。
どれだけ良いものを口に入れても、それを消化して吸収する力そのものが落ちていれば、体の中で使われないまま残ってしまう、という視点です。
アーユルヴェーダでは、この消化の力をアグニと呼び、未消化のまま残ってしまったものをアーマと呼びます。そしてアーマは、詰まりや慢性的な炎症のもとになると考えられています。
つまり、足りないものを足していく前に、まずは受け取る側がきちんと働いているかどうかを見ていく。足し算の前に引き算が大切、という視点です。
これは精密栄養学の考え方とも、きれいに重なります。血液検査からも、消化と吸収の状態はある程度読み取ることができます。Vol.10でお話しした尿素窒素(BUN)と総蛋白の関係も、そのひとつです。
そのうえで、あれもこれもと足しすぎてしまう前に、何のためにそれを飲むのか、飲んでみて体感や体調はどう変わったのか。
遠回りなようでも、ひとつずつこれらを自分自身で確かめながら、その時々の体調に合ったものを選んでいけるようになる。それをぜひ忘れないで頂きたいと思います。
なお、飲み合わせや量については、ご自身だけで判断なさらず、必要に応じて医師や薬剤師にもご相談ください。
この回答は、メルマガ Vol.13(2026年8月23日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。