Q夏にたくさん日焼けをしてしまいました。最近はシミや白髪も目立ちます。何か対策はありますか。
Aこちらの質問は、45歳にして毎週末オーストラリアの強い日差しの中でサーフィンに明け暮れる僕にとっても、非常に馴染み深いテーマです!
そのうえで精密栄養学の視点から、お話しできることがいくつかあります。
まず、日焼けとシミと白髪。この三つには、共通して関わっているものがあります。酸化ストレスです。
紫外線が肌に当たると、一重項酸素という反応性の高い酸素が作られ、細胞膜の脂質を酸化させます。シミも白髪も、この酸化ストレスが背景にあると考えられています。
強い紫外線を長年浴びて出てくる色素斑は、そばかすとは別のものです。老人性色素斑と呼ばれます。そばかすは体質で、夏に濃く冬に薄くなります。色素斑は季節では変わりません。
ここからは栄養素の話です。体には活性酸素を消す酵素が備わっていて、それぞれに材料が必要です。最初に働くSODには亜鉛・銅・マンガン、次に働くカタラーゼには鉄、並行して働くグルタチオンペルオキシダーゼにはセレンです。
そして抗酸化は、活性酸素を消すだけでは終わりません。ビタミンCもグルタチオンも、相手を守る時に自分が酸化されます。消した側は、消し終わった時点で使えなくなります。ビタミンEをビタミンCが再生し、そのビタミンCをグルタチオンが再生する。ですから何かひとつを大量に摂るより、互いを立て直せる組み合わせが揃っていることに意味があります。
白髪について、もうひとつ。若いうちの白髪は亜鉛不足と語られがちですが、実は銅の不足も関わっていると考えられています。亜鉛と銅は体の中で競合するので、亜鉛だけを足していくと銅が下がります。しかもSODは両方を材料にしています。理想値も銅80〜120μg/dL、亜鉛90〜120μg/dLと近い。足すというより、釣り合いを見ておきたい項目です。
ここまでの話は、血液検査からもある程度うかがえます。ただし、一般的な検査に酸化ストレスという項目はありません。いくつかを組み合わせて読みます。
消す力が足りているかは、尿酸(理想値4.5〜6.5mg/dL)とγ-GTP(20〜30U/L)で見ます。尿酸は血液中でいちばん量の多い抗酸化物質なので、低すぎると守りが手薄になります。γ-GTPはグルタチオンを再利用する酵素で、基準値の内側でも高めに動いていれば、需要が高いサインです。負荷がかかっているかどうかは、フェリチン(50〜80ng/mL)とCRP(0〜0.05mg/dL)で見ます。ただし、ひとつの項目だけでは決められません。
対策の中心になるのは、ここまでお話しした栄養です。消す酵素の材料である亜鉛・銅・マンガン・鉄・セレンを切らさないこと。そして抗酸化物質を、互いに再生し合える組み合わせで揃えること。まずは、この二つです。
そしてもうひとつ。第2章で触れたメラトニンには、眠りを促す働きとは別に、強力な抗酸化作用があります。日焼けをした日ほど、夜は暗くして眠る意味がここにあります。
最後にひとつ。白髪は不健康の証ではありません。真っ白でもお元気な方は、たくさんいらっしゃいます。ただ、以前より増えたと感じた時は、体からの合図として受け取っておくと、見直すきっかけになります。
なお、急にシミが増えた、あるいは形や色が変わってきたという場合は、栄養の話とは別に、一度皮膚科にご相談ください。
この回答は、メルマガ Vol.16(2026年9月20日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。