血液検査の項目ガイド / ALP(アルカリホスファターゼ)

BLOOD TEST GUIDE

ALPが低い・高いと言われたら

2026年10月11日更新|文・鈴木雄太(精密栄養カウンセラー)

ALP(アルカリホスファターゼ)は、肝臓から胆汁が流れ出る通り道や、骨を作る細胞、小腸などにある酵素です。胆汁の流れが滞るときや、骨が盛んに作り替えられているときに上がります。働くには亜鉛とマグネシウムが必要で、精密栄養学では低めの値にも目を向けます。

一般の基準範囲は38〜113 U/L(IFCC法)で、精密栄養学では63 U/L前後を目安に見ます。2020年から測り方が変わり、それより前の結果とは値の大きさが違うため、結果票の測定法を確かめてください。

ALPはどこから来る数字か

ALPは、リン酸がついた物質からリン酸を切り離す酵素です。酵素の中に亜鉛とマグネシウムを組み込んで働きます。血液のALPは一種類ではなく、出どころの違うものが合わさった値です。

このため、ALPの値は肝臓の状態だけでなく、年齢や骨の状態、妊娠、食事の影響を受けます。

一般の基準範囲と、精密栄養学の目安

一般の基準範囲精密栄養学の目安
ALP(IFCC法)38〜113 U/L63 U/L前後

日本では2020年から順次、ALPの測り方がJSCC法からIFCC法に切り替わりました。IFCC法の値は、JSCC法のおよそ3分の1になります。結果票に「IFCC」と書かれているか、基準範囲が100〜300台になっていないかを確かめてください。

ALPは、特定健診や職場の定期健康診断の基本項目には入っていません。人間ドックや医療機関の血液検査で測ることが多い項目です。表の目安は大人のためのもので、成長期の子どもは大人よりずっと高いのがふつうです。

一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。

低めのときに考えられる背景

精密栄養学では、ALPの低さを、亜鉛やマグネシウムが足りないサインのひとつとして読みます。ただし、ALPは年齢や体質でも低めに出るため、ALPだけで亜鉛が足りないとは言えません。血清亜鉛を測っていれば、必ず並べて見ます。

高めのときに考えられる背景

大人で、成長期や妊娠などの理由がないのにALPが高いときは、まず医療機関で原因を確かめます。精密栄養学では、胆汁が滞って脂肪を消化しにくくなっている流れや、慢性的な炎症で骨の作り替えが進んでいる流れも考えます。

ほかの項目と合わせて読む

ALPは、γ-GTPと並べて読むことが多い項目です。二つがそろって高いときは、胆汁の流れを考えます。ALPだけが高く、AST、ALT、γ-GTPがふつうなら、骨の側の動きを考えます。

低めのときは、血清亜鉛とマグネシウムを並べます。精密栄養学では、亜鉛は90〜120 µg/dLを目安に見ます。血清亜鉛は朝に高く午後に低くなるため、採血した時刻も考えに入れます。亜鉛は一般の健診では測らないことが多いので、気になるときは追加で頼みます。

暮らしで見直せること

亜鉛は、牡蠣や赤身の肉、卵、チーズに多く含まれます。マグネシウムは、海藻や大豆製品、ナッツ、緑の野菜からとれます。たんぱく質と一緒に、これらを毎日の食事に入れます。

加工食品に多いリン酸塩は、亜鉛の吸収を下げると言われています。お酒やカフェイン、甘いものの多い食事、強いストレスが続くと、亜鉛は尿から出ていきやすくなります。

ALPは、脂肪の多い食事のあとに上がることがあります。正確な値を知りたいときは、空腹のまま採血を受けます。

亜鉛のサプリメントは、とりすぎると銅が足りなくなることがあります。使うかどうかは、血清亜鉛を測ったうえで、医療機関で相談してください。

医療機関に相談したい目安

ALPが肝臓と骨のどちらから出ているかは、ALPアイソザイムという検査で調べられます。

よくある質問

ALPが低いと、亜鉛が足りないということですか?

そうとは限りません。亜鉛の不足は背景のひとつですが、ALPは年齢や甲状腺の働き、生まれつきの体質でも低めに出ます。血清亜鉛を測って並べると、確かめやすくなります。

以前の結果より、ALPがずいぶん低くなりました。

2020年から測り方がJSCC法からIFCC法に変わり、同じ状態でも値がおよそ3分の1になりました。前の結果と比べるときは、それぞれの結果票がどちらの測り方かを確かめてください。

一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。

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※ このページは、精密栄養学の考え方と筆者の学びにもとづく一般的な情報です。検査値から病気の有無を判定したり、治療を行ったりするものではありません。数値の受け止め方や対応は、結果票の案内に従い、医療機関にご相談ください。