γ-GTPとグルタチオンの関係
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸からできています。肝臓では、薬やアルコールなど体に入ったものを水に溶けやすい形に変え、胆汁や尿に出す処理に使われます。活性酸素を消す働きもあります。
γ-GTPは、細胞の外にあるグルタチオンを分解します。分解されてできたアミノ酸は細胞に取り込まれ、またグルタチオンを作る材料になります。処理の負担が増えてグルタチオンが多く使われると、γ-GTPも増えて数値が上がります。
γ-GTPは肝臓のほか、胆汁の通り道や腎臓、膵臓、小腸にもあります。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| 男性 | 13〜64 U/L | 20〜30 U/L |
| 女性 | 9〜32 U/L | 20〜30 U/L |
表の一般の基準範囲は、日本臨床検査医学会がまとめた共用の範囲です。結果票に印字された範囲も確かめてください。特定健診では、γ-GTPが51以上になると保健指導の対象になります。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。男性は一般の範囲が64までと広いため、範囲の中でも30を超えていれば、処理の負担がかかっていないかを考えます。
低めのときに考えられる背景
- 肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質が少ない、食事の量が少ない
- 亜鉛やビタミンB6が足りない
- 体の処理に使うグルタチオンを、作り直す力に余裕がない
一般の医療では、低い値はあまり問題にされません。精密栄養学では、低すぎるときに、グルタチオンを作る材料が足りているかを考えます。どちらの見方も、ほかの項目や体調と合わせて読むためのものです。
高めのときに考えられる背景
- 飲酒(量が多い、飲む日が多い)
- 糖質や脂質のとりすぎ、内臓脂肪の増加で、肝臓に脂肪がたまっている
- 服用している薬の影響
- 胆汁の通り道が狭くなっているなど、医療機関で確かめるべき原因
お酒を飲まないのに高いときは、食事や暮らしの中に、肝臓の処理の負担になっているものがないかを考えます。薬で上がっている場合は、自己判断でやめずに、処方した医療機関に相談してください。
ほかの項目と合わせて読む
γ-GTPは、AST、ALT、ALP、中性脂肪と並べて読みます。γ-GTPだけが高いときは、お酒や薬の影響をまず考えます。ALPも一緒に高いときは、胆汁の流れに目を向けます。
ALTがASTを上回り、γ-GTPと中性脂肪も高めなら、肝臓に脂肪がたまっている流れと合っています。反対に、AST、ALT、γ-GTPがそろって低めなら、たんぱく質やビタミンB6が足りているかを考えます。
お酒を控えた期間のあとに測ると、暮らしの変化が数値にどう出たかを確かめられます。
暮らしで見直せること
高めのときは、まずお酒の量と回数を見直します。飲まない日を作り、飲む日も量を決めておくと続けやすくなります。甘いものや揚げ物の多い食事も、肝臓に脂肪がたまる流れにつながります。
グルタチオンの材料はアミノ酸なので、肉や魚、卵、大豆製品からたんぱく質をとります。亜鉛は牡蠣や赤身の肉、ビタミンB6はまぐろやかつお、鶏肉に多く含まれます。低めのときも、まずこの土台を見直します。
便通を整えることも大切です。肝臓で処理されたものの一部は、胆汁と一緒に腸へ出て、便として体の外へ出ていきます。
医療機関に相談したい目安
- 結果票に、再検査や精密検査の案内がある
- γ-GTPが51以上で、お酒を控えても下がらない
- 皮膚や白目が黄色い、みぞおちや右の脇腹が痛む
- 薬を飲み始めてから数値が上がった
よくある質問
お酒を飲まないのに、γ-GTPが高いのはなぜですか?
γ-GTPは、お酒のほかにも、肝臓にたまった脂肪や薬、胆汁の流れの滞りで上がります。体の処理の負担が増えているときにも上がることがあります。高い値が続くときは、医療機関で原因を確かめてください。
γ-GTPは、低いほどよいのですか?
一般の医療では、低い値はあまり問題にされません。精密栄養学では、低すぎるときに、グルタチオンの材料になるたんぱく質や、亜鉛、ビタミンB6が足りているかを考えます。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。