血液検査の項目ガイド / 中性脂肪(TG)

BLOOD TEST GUIDE

中性脂肪が高い・低いと言われたら

2026年10月11日更新|文・鈴木雄太(精密栄養カウンセラー)

中性脂肪は、体がエネルギーとして使ったり蓄えたりする脂肪で、その血液の中の量を測る項目です。食後の数時間は上がり、前の晩のお酒でも高く出るため、空腹時に測った値で読みます。

一般の基準範囲は空腹時150 mg/dL未満で、精密栄養学では70〜90 mg/dLを目安にします。高いときは糖やお酒の余りを、低いときはエネルギーや脂質が足りているかを考えます。

中性脂肪は何を表す数字か

食事でとった脂は、小腸で吸収されたあと、数時間かけて血液に入ります。そのため、食後2〜6時間ほどは中性脂肪が上がります。空腹時の血液にある中性脂肪は、主に肝臓で作られて送り出されたものです。

肝臓は、使いきれなかった糖からも中性脂肪を作ります。糖質をとるとインスリンが出て、そのインスリンが肝臓に脂肪を作らせるためです。中性脂肪が高いとき、脂のとりすぎより糖の余りが関わっていることが少なくありません。

精密栄養学では、血液検査の中で中性脂肪を最初に見ます。糖や脂質が余っているのか、足りていないのかが、この数字に出やすいためです。

一般の基準範囲と、精密栄養学の目安

一般の基準範囲精密栄養学の目安
空腹時150 mg/dL未満70〜90 mg/dL
随時(空腹時以外)175 mg/dL未満空腹時の値で見る

特定健診では、空腹時150以上、随時175以上で保健指導の対象になります。精密栄養学の目安には下限があり、70を下回る値にも目を向けます。

一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。

高めのときに考えられる背景

インスリンが効きにくくなっているときにも、中性脂肪は上がります。インスリンが効きにくいと、筋肉や脂肪の細胞が糖や脂肪を取り込みにくくなります。取り込まれなかった脂肪は肝臓に集まり、肝臓がそれを中性脂肪に作り替えて血液に出します。

低めのときに考えられる背景

中性脂肪は、糖が足りないときに使う蓄えでもあります。体格のわりに中性脂肪が低いときは、とったものをエネルギーに変えきれていないことを考えます。蓄えが少ないまま糖質を控えると、体のたんぱく質が分解されやすくなり、疲れややつれとして出ることがあります。

ほかの項目と合わせて読む

中性脂肪は、空腹時血糖、HbA1c、HDLと並べて読みます。中性脂肪が高くHDLが低い組み合わせは、インスリンが効きにくくなっているときによく見られます。中性脂肪が高いのに血糖が低いときは、インスリンが多く出ているか、食後の採血だったことを考えます。

ALTやγ-GTも高いときは、肝臓に脂肪がたまっていることや、お酒の影響を考えます。中性脂肪が低いのにLDLだけが高いときは、体質の影響も考えます。

暮らしで見直せること

採血は、前の晩のお酒を控え、朝食をとらずに受けると、前回の値と比べやすくなります。

高めのときは、甘い飲み物や間食、菓子パンなどの精製された糖質から見直します。お酒は量だけでなく、飲まない日を週に何日つくれるかも大切です。揚げ物や市販の総菜の油を減らし、青魚やオリーブオイルに置き換えます。息が少し上がる程度の運動は、余った糖や脂肪を使う助けになります。

低めのときは、食事の量や脂質を減らしすぎていないかを確かめます。糖質を強く控えている場合は、少量の糖質を足すことも考えます。

医療機関に相談したい目安

よくある質問

食事のあとに採血すると、中性脂肪は高く出ますか?

高く出ます。食べた脂は数時間かけて血液に入るため、食後2〜6時間ほどは中性脂肪が上がります。前回と比べるときは、空腹時に測った値どうしで比べます。

中性脂肪は低いほどよいのですか?

低いほどよいとは限りません。精密栄養学では70〜90 mg/dLを目安にしています。下回るときは、食事の量や脂質が足りているか、エネルギーとして使いすぎていないかを考えます。

一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。

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※ このページは、精密栄養学の考え方と筆者の学びにもとづく一般的な情報です。検査値から病気の有無を判定したり、治療を行ったりするものではありません。数値の受け止め方や対応は、結果票の案内に従い、医療機関にご相談ください。