HDLは何を表す数字か
コレステロールは、肝臓からLDLの粒子で全身の細胞へ届けられ、細胞の膜やホルモンの材料に使われます。使われずに余った分を集め、肝臓へ戻すのがHDLです。
肝臓に戻ったコレステロールは胆汁酸に作り替えられ、胆汁として腸に出されます。胆汁酸の大部分は小腸で吸収されて肝臓に戻り、ふたたび使われます。便として出ていくのはその一部なので、便通が滞るとコレステロールは体の外に出にくくなります。
HDLは、届ける側のLDLとの釣り合いで見る項目です。精密栄養学では、LDLをHDLで割ったL/H比も見ていて、目安は0.9〜1.5です。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| HDLコレステロール | 40 mg/dL以上 | 70〜100 mg/dL |
特定健診では、HDLが40未満で保健指導の対象になります。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。
低めのときに考えられる背景
- 中性脂肪が高く、インスリンが効きにくくなっている
- 甘いものや糖質の多い食事が続いている
- 体を動かす時間が少ない
- 胆汁の流れや、脂質の消化がうまくいっていない
- 食事の量が少なく、コレステロールの材料が足りない
- 肝臓の働きの低下など、医療機関で確かめるべき原因
インスリンが効きにくくなると、肝臓で中性脂肪が多く作られます。中性脂肪が多い状態では、HDLは減りやすくなります。そのため、HDLが低いときは、まず中性脂肪と血糖の流れを確かめます。
高めのときに考えられる背景
HDLが高めなのは、運動や食事を整えた結果として見られることが多い数字です。目安の上限は100で、大きく超えるときは、お酒の量や体質など、ほかの理由がないかを医療機関で相談してください。
ほかの項目と合わせて読む
HDLは、中性脂肪と並べて読みます。中性脂肪が高くHDLが低いときは、糖の余りやインスリンの効きにくさを考えます。空腹時血糖、HbA1c、空腹時インスリンも合わせて確かめます。
精密栄養学では、中性脂肪が高いのに総コレステロールとHDLが低めで、ALPが高めのときは、胆汁の流れの滞りを考えます。脂質をとっても、うまく使えていない流れです。
暮らしで見直せること
中性脂肪が高い人は、甘い飲み物や間食、精製された糖質から見直します。小麦の菓子や揚げ物が重なっていないかも確かめます。
体を動かす時間を増やすことも大切です。息が少し上がる程度の運動を、週に合わせて150分ほど続けることがすすめられています。
青魚に多いEPAやDHAをとることもすすめています。胆汁の流れのためには、食物繊維で便通を整えます。
医療機関に相談したい目安
- HDLが40 mg/dL未満、または結果票に再検査や精密検査の案内がある
- 中性脂肪やLDLも基準範囲から外れている
- 家族に、若くして心臓の病気になった人がいる
- HDLが100を大きく超えている
よくある質問
HDLは高ければ高いほどよいのですか?
高ければよいとは限りません。精密栄養学では70〜100 mg/dLを目安にしています。100を大きく超えるときは、お酒の量や体質など、ほかの理由がないかを医療機関で相談してください。
HDLが低いとき、何から見直せばいいですか?
まず中性脂肪と並べて見ます。中性脂肪が高ければ、甘いものや間食など、糖の余りから見直します。体を動かす時間を増やすことや、青魚をとることもすすめられています。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。