LDLは何を表す数字か
血液の中のコレステロールは、食事から来るのが2割ほどで、残りの8割ほどは肝臓が作っています。食事から入る量が増えると、肝臓は作る量を減らします。
コレステロールは脂の仲間なので、そのままでは血液に溶けません。たんぱく質に包まれた粒子の中に入って、血液の中を運ばれます。肝臓から細胞へ向かうのがLDL、細胞で余った分を肝臓へ戻すのがHDLです。
使われずに肝臓へ戻ったコレステロールは、胆汁酸に作り替えられ、便と一緒に体の外へ出ます。LDLとHDLは、どちらがよい、悪いというより、届ける量と戻す量の釣り合いで見ます。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140 mg/dL未満 | 80〜120 mg/dL |
| 総コレステロール | 結果票の範囲 | 180〜220 mg/dL |
特定健診では、LDLが120以上で保健指導の対象になります。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。
高めのときに考えられる背景
- 糖質や脂の多い食事が続き、肝臓が脂質を多く作っている
- 便通が滞り、胆汁酸として出ていく量が少ない
- 糖質を強く控えた食事を続けている
- 閉経の前後など、女性ホルモンが減る時期
- 生まれつきLDLが高くなりやすい、家族性の体質
- 甲状腺の働きの低下など、医療機関で確かめるべき原因
甲状腺ホルモンには、肝臓が血液からLDLを取り込む働きを強める役目があります。甲状腺の働きが落ちると取り込みが減り、LDLが血液に残りやすくなります。
若いころからLDLが高い人や、中性脂肪は低いのにLDLだけが高い人は、家族性の体質のことがあります。食事を整えても下がりにくいため、一度医療機関で相談してください。LDLが高い状態が長く続くと、血管の壁にコレステロールがたまりやすくなると言われています。
低めのときに考えられる背景
- 食事の量が少なく、たんぱく質や脂質が足りない
- 体がエネルギーを作る力が落ちている
- 消化や吸収がうまくいっていない
- 肝臓の病気や、甲状腺の働きの高まりなど、医療機関で確かめるべき原因
コレステロールは肝臓で作られ、材料には糖やたんぱく質、脂質が使われます。作るときには、エネルギーも必要です。そのため精密栄養学では、コレステロールが低いときに、材料かエネルギーが足りていない流れを考えます。低すぎると、疲れやすさや体温の保ちにくさとして感じることがあります。
ほかの項目と合わせて読む
LDLは、HDLとの比(L/H比)でも見ます。精密栄養学の目安は0.9〜1.5です。中性脂肪も高いときは、糖や脂質の余りから、肝臓が脂質を多く作っている流れを考えます。
甲状腺の項目(TSHやFT3)も合わせて見ます。コルチゾールはコレステロールから作られるため、コルチゾールが高いのにコレステロールが低いときは、ストレスが強く続いている流れを考えます。
暮らしで見直せること
食事のコレステロールを減らすより先に、糖質と脂を一緒にとる食事を見直します。菓子パン、揚げ物、スナック菓子が重なっていないかを確かめます。加工食品に含まれるトランス脂肪酸も控えます。
便通を整えることも大切です。海藻や野菜などの食物繊維をとると、胆汁酸が便と一緒に出ていきやすくなります。
LDLが低めのときは、食事の量を減らしすぎていないかを確かめ、肉や魚、卵からたんぱく質と脂質をとります。
医療機関に相談したい目安
- LDLが180 mg/dL以上ある
- 若いころからLDLが高い、または家族にLDLが高い人がいる
- 家族に、若くして心臓の病気になった人がいる
- 結果票に再検査や精密検査の案内がある
よくある質問
卵は控えたほうがいいですか?
一律に控える必要はないと考えられています。血液のコレステロールの多くは肝臓が作っていて、食事から入る量が増えると、作る量を減らすためです。家族性の体質がある人や治療中の人は、医師と相談してください。
LDLは低いほどよいのですか?
低いほどよいとは限りません。コレステロールは細胞の膜やホルモン、ビタミンDの材料です。精密栄養学では80〜120 mg/dLを目安にしていますが、治療中の人は医師が決めた目標の値に従ってください。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。