第1章 今週の一言移民の国で気づく「前提の違い」とHSS型HSP
ここでは、僕が日常生活において気づいたことや注目のトピックスなどについて取り上げていきたいと思います。
日本人の僕が、オーストラリア人や、ヨーロッパ・中東・アフリカ・中南米から来た人たちに囲まれて暮らしていると、ふと気づかされることがあります。
「そもそも」の前提が、こんなにも違うのか、と。
オーストラリアは、いわゆる移民国家。今では人口のおよそ3人に1人(約32%)が海外生まれだといわれています。
歴史を遡れば、数万年前からこの地に住んでいた先住民族であるアボリジナル/トレス海峡諸島民に加えて、18世紀にイギリスが入植して以降、今ではさまざまな国籍や人種の人々が暮らしています。
とはいえ、エリアによってはオーストラリア人やその文化が顕著なところもあれば、逆に移民がローカルコミュニティの中でも存在感を示しているところもあり、実際の生活状況は様々です。
前提が違うというのは、体型や肌の色のような目に見える部分の話ではありません。人との接し方、物事の捉え方、仕事に向き合う姿勢など、むしろ目に見えない部分の違いに、気付かされることが多々あります。
そんな中で、自分とは何か、日本人たる文化や気質とは、ということを考えさせられる場面も少なくありません。
ちなみに僕は、いわゆるHSS型HSPというタイプの気質を持っています。(ご自身の気質を知りたい方はこちら)
これは、新しい刺激や出来事を望む傾向がある一方で、その刺激が過剰になるとストレスや疲労につながりやすいという、やや矛盾した気質でもあり、取り扱いがそれなりに難しい(ということに大人になって気づいた)のです。
少し専門的に言えば、刺激を求める力(ドーパミン)が強めで、その分、心身を落ち着かせる方の舵取りには少しコツがいる、自分ではそんなふうに捉えています。
これらの神経伝達物質が作用するメカニズムには、食事や運動、睡眠などのライフスタイル(後天的な影響)に加えて、生まれ持った遺伝子(先天的な要因)も、大きく関わってきます。
この点に僕は非常に興味を持っています。40代も半ばながら、さらに自分をより深く理解したい、という好奇心で今はいっぱいです。
先日、日本に一時帰国した際に、全ゲノム対象の遺伝子検査を受けたので、数ヶ月後に結果が届くのを今から楽しみにしています。
ぜひ、こちらでもその内容はシェアさせていただきたいと考えています!
第2章 今週のテーマ栄養素とメンタルの深い関係性
INNERTRAVELER.aiでは、お悩みの改善や健康増進だけにとどまらず、毎日を快適に、自分らしく創造的な日々を送るためのヒントをご提供しています。
「栄養素とメンタルの深い関係性」
最近は、カウンセリングにとどまらず、知人や友人、そのご家族の健康管理について、相談を受ける機会も増えてきました。
微力ながら、迷ったり困ったりした時に、顔を思い出してもらえるのはとても嬉しい限りです!
内容は、「子どもの不安感が大きい」「集中力が以前よりも続かなくなった」「落ち着きがない」など、気分やメンタルに関するものも少なくありません。
実はこれらの状態は、「元々の性格だから」「気合いや頑張りが足りてないだけ」「一時的に忙しいだけ」といった視点だけで片付けられるものではないかもしれません。
精密栄養学や遺伝子の観点から言えば、栄養素の代謝に課題が生じている可能性があるのです。
たとえば「集中が続かない」「落ち着かない」「理由もなく不安が強い」。こうした状態には、いろいろな要因が絡みますが、その一つに、脳の中で働く神経伝達物質と、それを作る栄養素の供給が関わっていることがあります。
なかでも主役は二つ。
ひとつは、行動を起こさせるアクセル役のドーパミン。「もっとやりたい」という前に進む力です。
もうひとつは、心を落ち着けるブレーキ役のセロトニン。「今ここで満たされている」という安心感を支えてくれます。
第1章でお話ししたとおり、実は僕自身も、アクセル(ドーパミン)がやや強いタイプ。どちらが良い・悪いではなく、このバランスが大切です。
そして、そのアクセルもブレーキも、毎日の食事から摂るたんぱく質(アミノ酸)や、鉄・ビタミンB6・マグネシウムを材料にして作られています。
ここで少しお伝えしたいのが、「ちゃんと食べているのに気分が安定しない」という時のこと。実は材料の不足ではなく、からだの中の慢性的な炎症が、せっかくの材料を横取りしてしまっていることがあります。
僕がお話をさせていただく方にも、ここを見落としていたという方は本当に多いです。
「気合いの問題」だと思っていたことが、実は「元々の設計の違い」だった。そう気づけると、自分やお子さんを責めるのではなく、無理なくそれぞれに合ったやり方で整えてあげられるようになります。
お子さんの不安や落ち着きのなさが長く続く時や、毎日の生活に支障が出ている時は、抱え込まずに小児科や専門家にご相談ください。
なぜ「セロトニンを増やせばいい」だけでは片付かないのか、よかれと思って摂っているものが逆効果になっているケースなど、詳しくはこちらにまとめているので見てみてくださいね。
LABO|精密栄養学の研究ノートやる気が出ないのはなぜ?ドーパミンとセロトニンを作る栄養記事を読む →
第3章 Q&A読者の方からのご質問
Q1気分や集中力も、食事や睡眠の影響を受けますか?
はい、想像以上に大きく受けています。そして、それはあなたが弱いからでも、気合いが足りないからでもないんです。
やる気を生むドーパミンも、心を落ち着けるセロトニンも、もとは食事のたんぱく質に含まれるアミノ酸が材料です。そこに鉄・ビタミンB6・マグネシウムが補助役として加わって、はじめて作られます。どれかが足りないと、行動を起こしたいという気持ちはあっても、必要な神経伝達物質が作られにくくなり、頑張ろうとしても体がついてきにくいことがあります。
また、睡眠も大きな鍵です。日中に作用したセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンへと姿を変えます。眠りが浅いと翌日の気分の土台がぐらつきやすくなりますし、血糖の急な上下動も、人によっては気分や集中に影響することがあります。
僕自身、忙しくて食事が雑になった日ほど、午後にぼんやりしてしまうことがありました。でもそれは「だらけている」のではなく、脳が材料を求めているサイン。気分が乗らない日は、自分を責める前に、まず食事や睡眠など、ライフスタイルの土台をふり返ってみるといいかもしれません。
Q1サービスに興味はあるけど、食事の記録や設定が大変そうで、続けられるか不安です。
その不安、とてもよく分かります。でも、続けられるかどうかは、あなたの意志の強さではなく、「仕組みの設計」の問題だと僕は思っています。
僕が何より大切にしているのは、「かんたんで続けられること」こそが、いちばん効果につながるという考え方です。どんなに正しい方法でも、手間が多くて疲れてしまっては続きません。だから、記録や設定の手間はできるだけ減らす作りにしています(引き続き改良中です!)。
また、すべてを完璧にやる必要はなく、まずは一日一食だけ、できそうなことから小さく始めて、生活に合わせて少しずつ調整していけば十分です。
毎週(または毎日の配信も選択可)のフォローアップメールで、どんなアクションを起こすべきかも送らせていただきますので、ぜひご覧になってください。
Q1子どもでも遺伝子検査は受けられるの?
はい、お子さんでも受けられます。最近は唾液を採取するだけといった、痛みのない方法が多く、身体への負担はとても少ないものもあります。
ただ、ひとつだけ大切にお伝えしたいことがあります。遺伝子検査でわかるのはその方の「運命」ではなく、いわば「脳の取扱説明書」のようなもの。栄養を代謝しやすい傾向・しにくい傾向といった、その人なりのクセが見えてくる、というイメージに近いです。
ですから結果は、「この子はこういう子だ」と決めつけるためではなく、「だからこの子には、こんなふうに支えてあげると楽になりそうだ」という、関わり方のヒントとして使ってあげられると良いのではと思っています。傾向がわかれば、性格や努力のせいにせず、環境や食事でやさしく整えていけるはずですから。
ひとつ補足すると、採取そのものは楽でも、遺伝子からわかる情報は一生ついてくるもの。だからこそ「気軽に」よりも「丁寧に」を大切にしたいところです。
年齢にもよりますが、お子さん自身が「なぜ調べるのか」を納得できる形で、本人の気持ちも確かめながら進められると安心です。そして受ける前に、一度かかりつけの小児科医や遺伝子検査のカウンセラーへご相談なさると良いかと思います。
僕は、その結果を毎日の生活や食事の中でどう活かすかを、ご一緒に考えるパートナーでありたいと思っています。検査はゴールではなく、その子をもっと深く理解してあげるための、入口のひとつです。