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INNER TRAVELER Vol.07

心のざわつきと、HRV測定アプリ「YURAGI」

2026年7月12日配信
今週の精密栄養学:呼吸は、手軽に使える自律神経のスイッチ

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第1章 今週の一言心のざわつきと、HRV測定アプリ「YURAGI」

ここではHSS型HSP(刺激を求めつつ、繊細に感じ取る気質をあわせ持つタイプ)の傾向を持つ筆者が、「常に新たな刺激を求める傾向」と「ストレスや過剰な刺激に疲弊しがち」という相反する気質を持つ自分とどのように向き合い、快適な暮らしとさらなる創造性を実現しようとしているのか、その旅路をリポートしています。

心がざわついて落ち着かないのは、気の持ちようのせいなのでしょうか。それとも、もっと別のところに理由が隠れているのでしょうか。

精密栄養学を学びはじめて、自分にとっていちばん大きな発見は、「毎日の食事や生活習慣が、気分や心の状態にこれほど深く関わっているのか」という気づきを得られたことでした。

なんだか今日はやる気が起きないな、と感じる日。

せっかくの休日なのに、仕事の不安や心配ごとが頭から離れない。

みなさんにも、きっとそんな経験があるのではないでしょうか?

実は僕自身、人からはクールで落ち着いている人として見られることも少なくないのですが、正直に言えば、内面では心がざわついていたり、不安や心配事が尽きないことも多いです。

私たちはこうした状態を、つい「自分の心構えが足りないからだ」「気合が足りないからだ」と考えてしまいがちです。

でも、精密栄養学的な視点で言うと、実はそうとも限らないのです。

例えば、やる気に関わるドーパミンや、おだやかな幸福感をもたらすセロトニン。こうした脳内の物質は、もとをたどれば、日々の食事でとるたんぱく質に含まれるアミノ酸を材料につくられています。

そして、それを形にしていく過程では、鉄やマグネシウム、ビタミンB6、葉酸といった栄養素が働いています。

つまり、しっかりと材料が揃い、代謝がスムースに回っていること。それが、気分や心の安定を支える土台のひとつになっているのです。

とはいえ、体の内側で起きているこうした働きは、目には見えません。自分がいま、しっかりリラックスできているのか。それとも、やるべき時にきちんと活動モードへ切り替わっているのか。それを手軽に知る方法は、これまでありませんでした。

ところが最近では、スマートフォンや専用のデバイスを使って、こうした状態を誰でも手軽に測れるようになってきました。その代表的な目安が、HRV(Heart Rate Variability: 心拍変動)と呼ばれるものです。

HRVは、心拍のわずかな「ゆらぎ」を表す指標です。この数値が低いときは、体が活動・緊張のモードに傾いていると考えられます。逆に、体がリラックスモードにある時、つまり副交感神経が優位になっている時には、この数値が上がっていきます。

運動や集中した後にこの数値が一時的に下がるのは、ごく自然なことです。ただ、低い状態が長く続くようなら、疲れやストレスがたまっているサインの可能性もあります。

また、「いくつ以上ならリラックスできている」といった、絶対的な物差しがあるわけではありません。数値には個人差が大きいからです。大切なのは他人と比べることではなく、あなた自身のHRVを続けて見ていくこと。そうすることで、自分が自律神経のバランスをどれくらい保てているのかが、少しずつ見えてくるのです。

僕自身、このHRVという目安をとても大切にしています。そして、ぜひみなさんにも、ご自身の状態を知る手がかりにしていただきたい。そんな思いから、新しく「YURAGI」というHRV測定アプリ(無料)をご用意しました。

使い方はとてもシンプルです。スマートフォンにアプリ(ブラウザからホーム画面に追加)を入れて、30秒ほど、カメラのレンズにそっと指を当てるだけ。

あくまで簡易的な目安ではありますが、いまのあなたが活動モードにあるのか、リラックスモードにあるのかを推定して記録していくことで、一日、一週間、一か月という流れの中で、あなた自身の自律神経のバランスの傾向が徐々に見えてきます。

こうした記録を、日々の食事や運動、睡眠の様子とあわせて眺めていくと、より心地よく健やかな毎日へと近づくヒントが、きっと見つかるはずです。

よろしければ、ぜひ一度お試しください。まだまだβ版のため改良の余地があるかもしれませんが、使ってみての感想や、こうだったらいいなというご要望があれば、喜んでお伺いします。

第2章 今週のテーマ呼吸は、手軽に使える自律神経のスイッチ

INNERTRAVELER.aiでは、お悩みの改善や健康増進だけにとどまらず、毎日を快適に、自分らしく創造的な日々を送るためのヒントを精密栄養学の視点からご提供しています。

「呼吸は、手軽に使える自律神経のスイッチ」

深く息を吸って、吐いて。そうやって落ち着こうとしても、なぜか気持ちがざわついたまま。夜、神経が高ぶって眠れない。そんな経験はありませんか。

心臓の鼓動や胃腸の動きと同じで、自律神経は自分の意志では動かせません。ところが、たった一つだけ、こちらから自発的に働きかけられる方法があります。

それが、「呼吸」です。

今回のLABOでは、呼吸がなぜ自律神経の「リモコン」のような役割を果たすのか、その仕組みと、リモコンを本当に働かせるために欠かせない「栄養の土台」まで、精密栄養学の視点でまとめました。よろしければ、ぜひこちらもご覧ください!

LABO|精密栄養学の研究ノート自律神経を整えるのに、呼吸が効果的なメカニズムとは?記事を読む →

第3章 Q&A読者の方からのご質問

Q1呼吸法を試しているのですが、HRVがなかなか上がりません。どうしたらいいでしょうか?

Aまず知っていただきたいのは、HRVはとても繊細な目安だということです。その日の睡眠やストレス、測る時間帯や姿勢、前の日のお酒やカフェインでも、大きく揺れ動きます。

ですから、YURAGIやApple Watchなどでの測定の際に、一回や二回、HRVの数値が思うように上がらないことがあっても、どうかあまり気になさらないでください。見るべきなのは一時点の数値ではなく、数日から数週間の大きな「流れ」です。

そのうえで、呼吸法をしてもHRVが上がりにくいときは、呼吸そのものより、その土台に理由が隠れていることもあります。

たとえば、デスクワークで前かがみの姿勢が続くと、首や肩がこわばって呼吸が浅くなり、交感神経が優位になりがちです。

また、糖質に偏った食事や空腹の時間が長すぎて血糖が乱れると、それを立て直そうと体がアドレナリンを出し、せっかくの呼吸法を打ち消してしまうこともあります。

精密栄養学では、呼吸を「自律神経のリモコン」にたとえます。ただ、そのリモコンを押しても、本体の電池(マグネシウムなどの栄養や、安定した血糖)が切れていると、うまく反応してくれません。このあたりは、今回のLABO記事にくわしくまとめました。

数値を上げることや自律神経を整えようとしてあまり力みすぎず、「いま自分はどんな状態かな」と知るためのひとつの目安として、少しやさしい気持ちで付き合っていただけたらと思います。

なお、呼吸を強く、速くしすぎると、かえってめまいなどを招くこともありますので、心地よい範囲で気持ちの良い呼吸を繰り返すことを意識しましょう。

Q1焦りや不安感のような感覚があります。朝いちばんにコーヒーを飲むのは、やめた方がいいですか?

Aもし、コーヒーのあとに焦りやそわそわを感じやすいのであれば、飲み方を少し見直してみる価値はあると思います。

精密栄養学の視点から見ると、「不安だからコーヒーで落ち着こう」という飲み方は、人によっては逆に働くことがあります。

カフェインには、体を活動モードにするホルモン(アドレナリンなど)を一時的に増やす側面があり、もともと焦りを感じやすい方だと、かえってそわそわが長引くことがあります。

あわせて、カフェインは、リラックスに関わるとされるマグネシウムを尿から排出しやすく、さらに砂糖入りの一杯なら血糖の乱高下も重なる可能性があります。

そこで、まず見直してみる価値があるのは、午後のカフェインを控えめにすることです。カフェインは体の中で半分に減るまで5〜7時間ほどかかるといわれ、午後遅くの一杯が夜の眠りを浅くし、その寝不足が翌日の焦りにつながることもあるからです。

朝いちばんの一杯を、白湯やレモン水にそっと置き換えてみるのもおすすめですし、飲むなら何かを胃に入れた食後の方が安全でしょう。

なお、コーヒーへの反応には遺伝的な個人差も大きいので、ご自身の体感ともしっかり向き合ってみてください。焦りや動悸が強まる、あるいはこれらの状態が続く時は、カフェインのせいと一概に決めつけず、一度、医師などの専門家にご相談なさることをお勧め致します。

Q1ビタミンB群が不足していると指摘され、ビタミンBコンプレックスを飲みはじめました。ところが、動悸や不安感が強まったように感じます。どうしたらいいでしょうか?

A実は、僕自身にも、よく似た経験があります。以前に血液検査を受けた際、医師より「B群が不足ぎみ」と言われてビタミンBコンプレックスを飲んでいたのですが、日中の動悸や落ち着かなさが続くようになり、思いきって一度やめてみたところ、数日で穏やかさが戻っていきました(これはあくまで、僕個人に起きたことです)。

精密栄養学では、ビタミンB群を「代謝のスイッチ」のような存在だと考えます。エネルギーを生み出したり、神経伝達物質の生成をサポートする大切な栄養素です。

ただ、もともと不足していた方が、いきなり過剰な摂取をすると、人によっては飲みはじめに動悸や落ち着かなさを感じることがあるようです。これは体質による個人差がとても大きく、同じサプリで調子が整う方もたくさんいらっしゃるようです。

もし同じようにお感じなら、まずは一度サプリの摂取を控えてみて、体の様子をみるのが安心です。可能なら、まずは食事を見直し、お肉やお魚などから自然な形で摂取できないか、お試しいただく方が良いでしょう。

そのうえで、ご自分でブランド・メーカーを替えたり、別のサプリを足したりする前に、医師や薬剤師にご相談されると安心です。とくにビタミンB6は、量が多いと手足のしびれが報告されているため、自己判断での増量はお控えください。また、動悸が強い・続くときは、甲状腺や心臓など別の原因のこともありますので、一度受診をご検討ください。

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※ この内容は、精密栄養学の考え方と筆者自身の経験にもとづく一般的な情報です。病気の有無を判定したり、治療を行ったりするものではありません。体の感じ方や効果には個人差があります。気になる症状がある時は、自己判断なさらず、医療機関にご相談ください。