5種類の白血球の働き
- 好中球:細菌にいち早く反応し、急な炎症のときに増える
- リンパ球:ウイルスに反応し、一度出会った相手を覚えて対応する
- 単球:組織に入るとマクロファージになり、異物を取り込んで片づける
- 好酸球:アレルギーの反応や、寄生虫への反応に関わる
- 好塩基球:ヒスタミンを出し、すぐに起こるアレルギーの反応に関わる
白血球数は、体調をくずしているときにも上がります。1回の値だけで決めず、採血したときの体調と合わせて見ます。
一般の基準範囲と、精密栄養学の目安
| 一般の基準範囲 | 精密栄養学の目安 | |
|---|---|---|
| 白血球数 | 3300〜8600/µL | 4000〜6000/µL |
| 好中球 | 38〜74% | 55〜60% |
| リンパ球 | 16.5〜49.5% | 35〜40% |
| 単球 | 2〜10% | 2〜4% |
| 好酸球(女性) | 0〜8.5% | 1〜2% |
| 好酸球(男性) | 0〜8.5% | 0〜2% |
| 好塩基球 | 0〜2.5% | 0〜2% |
白血球数は全国共通の基準範囲で、白血球像はその範囲を定めたときの調査(2015年)の値です。白血球像は検査機関によって範囲が違い、健診では測らないこともあります。
一般の基準範囲は、病気かどうかを分けるための範囲です。精密栄養学の目安は、体が無理なく働いている状態の目安として使っています。
低めのときに考えられる背景
- かぜなど、ウイルスに反応している最中や、その直後
- 強いストレスが長く続き、体が反応しにくくなっている
- 薬の影響や、血液を作る働きの病気など、医療機関で確かめるべき原因
ウイルスに反応しているときは、白血球数が下がり、リンパ球の割合が上がる形が見られることがあります。体調が戻ってから測り直すと、元の値に戻っていることも多い項目です。
高めのときに考えられる背景
- かぜや膀胱炎など、細菌やウイルスへの感染
- けがや手術のあと
- 緊張やストレスが続き、交感神経が優位になっている
- 腸や歯ぐきなどで続いている炎症
- 炎症が長引く病気など、医療機関で確かめるべき原因
急な感染では主に好中球が増え、単球が高めのときは、慢性的な炎症が続いていることを考えます。
好中球とリンパ球から読む自律神経
精密栄養学では、好中球とリンパ球の割合を、自律神経の状態と合わせて読みます。緊張やストレスが続いて交感神経が優位なときは、好中球が増え、リンパ球が減る形が見られることがあります。ストレスのときに出るコルチゾールにも、好中球を増やす働きがあります。
目安どおりなら、好中球はリンパ球のおよそ1.5倍です。好中球がリンパ球の2倍を超える状態が続くときは、慢性的なストレスや炎症を考えます。
反対に、リンパ球が多く好中球が少ない形は、副交感神経が優位なときに見られます。ただし、交感神経が優位な状態が長く続いたあと、体が疲れて反応しにくくなり、この形になることもあると考えます。
ほかの項目と合わせて読む
白血球はCRPより先に上がって先に下がるため、白血球がふつうでCRPだけが高いときは、少し前の炎症がまだおさまりきっていないと読みます。
単球に加えてフェリチンや銅も高めなら、慢性的な炎症を考えます。好酸球が高めのときは、ストレスよりも、アレルギーや腸の免疫の反応を考えます。割合だけでなく、白血球数を掛けた実際の数も確かめると、見え方が変わることがあります。
暮らしで見直せること
好中球が多めの形が続くときは、交感神経が休む時間を意識してとります。ゆっくり息を吐く呼吸、十分な睡眠、カフェインをとりすぎないことは、副交感神経が働く時間を増やすと言われています。
炎症が続いているときは、血糖が急に上がり下がりしない食べ方、腸の状態、ビタミンDや亜鉛が足りているかも見直します。激しすぎる運動は、かえって炎症を強めることがあります。
医療機関に相談したい目安
- 結果票に、再検査や精密検査の案内がある
- 白血球数が、一般の基準範囲から大きく外れている
- 熱、のどの痛み、排尿時の痛みなど、感染を思わせる症状がある
- 白血球像に、ふだんは出ない細胞の記載がある
- 測り直しても、低い値や高い値が続いている
よくある質問
白血球数が基準内なら、内訳は気にしなくていいですか?
白血球数が基準内でも、好中球とリンパ球の割合が偏っていることがあります。精密栄養学では、合計より内訳の並びから、ストレスや炎症の傾きを読みます。前回の値と比べると、動きがわかりやすくなります。
かぜのあとに白血球数が低かったのは、心配ですか?
ウイルスに反応している最中やその直後は、白血球数が下がり、リンパ球の割合が上がることがあります。体調が戻ってから測り直して、元に戻るかを確かめます。下がったままのときは、医療機関で相談してください。
一般の基準範囲:日本臨床検査医学会「臨床検査の基準範囲・臨床判断値」(2025年11月)ほか。検査機関によって少し違います。精密栄養学の目安:Nomad Academy の精密栄養学講座の血液検査資料。