Q子どものアトピーがあるのですが、食事やライフスタイルからできることはありますか。
Aご質問ありがとうございます。
実は、僕も幼少期にアトピー性皮膚炎を抱えていました。
特に今のような日本の夏の季節は、暑さで汗をかくと、痒みが止まらなくなりました。
当時の僕は、お尻の部分のアトピーが特にひどく、夏場に座っている時が一番辛かったものです。
治りかけていた傷をまた掻きむしって、血だらけになる。
それを何度も繰り返していたことを、子どもながらに大きなストレスとして覚えています。
ですので、お子さんのことでご心配されているお気持ちに、少しは寄り添えるつもりです。
まず、前提としてお伝えしておきたいことがあります。
お子さんの症状について、まだ受診をされていないようでしたら、まずは皮膚科へのご相談を先にご検討ください。
また、既に処方されたお薬がある場合は、自己判断での中止は避けましょう。
率直に申し上げて、食事やライフスタイルの管理は、治療の代わりにはなりません。
その上で、精密栄養学の視点から、いくつかご紹介いたします。
1. 皮膚は腸の状態を映しやすい
これは精密栄養学でよく言われる見方です。
腸の壁が荒れていると、本来は入らないものが体の中に入りやすくなり、免疫が過剰に反応します。
そしてその反応が皮膚に出てくることがある、という視点です。
2. 何かを足すよりも、合わないものを外す
僕自身の幼少期を振り返ると、思い当たることがいくつかあります。
洋食への憧れが強かった母の影響で、家では必ず朝食にパンとバター、そしてミルクが定番でした。
夕飯には、バランスを考えてトマトなどの野菜もよく出ていました。
トマトは、体質によってはヒスタミンの反応が出やすい食材のひとつです。
また、カップラーメンやシリアルなど、小麦を含むものも好きでよく食べていました。
でも、当時はそれが肌の状態や免疫と関係しているなんて、全く思っていませんでした。
いま同じ場面に立ち会えるなら、主治医と相談したうえで、小麦と乳製品を短い期間だけ減らしてみて、変化があるかを見ると思います。
ただし、このような除去食は、自己判断で長く続けないでください。
育ち盛りの時期に食材を大きく外すことは、栄養面のリスクを伴います。
試すなら短い期間で区切り、必ず主治医や管理栄養士と相談しながら進めてください。
3. 土台を支える栄養素
腸の粘膜や皮膚のバリアに関わるものとして、ビタミンDと亜鉛が挙げられます。
ただし、幼いお子さんへのサプリメントの摂取は、大人以上に慎重であるべき領域です。
まずは食事で補えるものがないか、再度検討してみてはいかがでしょうか。
鮭や鯖などの魚、キノコ類、卵黄などからビタミンDを、アレルギー反応に注意しながら牛肉やカニ・エビなどの甲殻類から亜鉛を摂ることができます。
また、ビタミンDの生成には日光に当たることも有効です。
4. 十分な保湿
地味ですが、ここがいちばん効きます。
皮膚のバリアが保たれていれば、外からの刺激が入りにくくなります。
特に夏場は、汗をこまめに拭く、お風呂の後に保湿剤を塗る、それだけでもずいぶんと変わるはずです。
僕の場合、気づいたらアトピーはいつの間にか治まっていきました。
でも肌の一部には、その跡が少し残っているところもあります。
その跡を今になってふと眺めると、母親と共に試行錯誤を繰り返した当時の日々が、今では懐かしい記憶として心にしまってあります。
もしかしたら、僕が母親から与えられていた食事が自分には合ってなかった可能性も否めません。
ある頃は、患部の肌を太陽に当てたらいいと母親がどこからか聞きつけ、自宅の2階のベランダからこっそりとお尻を太陽に向けていたこともあります。
それが良かったのかどうかは、正直よくわかりません。
でも、そんな中でも母が与えてくれた愛情や、試行錯誤をしてくれたその想いは、今でも胸の奥に深く刻まれているような気がします。
お子さんも親御様も、今の辛さと状態がずっと続くとは限りません。
治りかけた時に掻いてしまうことがあっても、どうかお子さんを責めないであげてください。
焦らずに少しずつ、親子で一緒にこの症状に向き合っていく。
その姿勢が、何よりもお子さんの支えになっていることを、どうか忘れないでいただければと思います。
この回答は、メルマガ Vol.12(2026年8月16日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。