Q暑さで食欲がありません。冷たい麺やアイスばかりになってしまうのですが、大丈夫でしょうか。
A年々、暑さが厳しくなるにつれ、体調や食事の管理も難しくなりますよね。
まず、食欲が落ちること自体は、体としては自然な反応です。
暑いと、体は熱を逃がそうとして、血液を循環させます。
その分、胃腸に回る血液が減るので、消化力も自然と落ちがちです。
第1章で、アーユルヴェーダでは出来事や感情も消化するものとして扱う、というお話をしました。
その大元にあるのが、消化の火という考え方です。
夏は、この火がもともと弱くなる季節だとされています。
そこへ冷たいものを入れると、火はさらに小さくなります。
ここで気をつけたいのが、たんぱく質です。
そうめん、冷やし中華、アイス、パン。
食欲のない時に手が伸びるものは、たいてい糖質に偏っています。
重要なのは、たんぱく質が不足している状態が数週間続いても、その影響は夏のうちには出てこないことがある、ということです。
夏の盛りが過ぎ、涼しくなってきた頃に、だるさや肌の乱れとして、遅れて顔を出すことがあります。
夏バテだと思っていたものが、実は秋になって効いてくることもあるのです。
もうひとつは、水分と塩分です。
汗で失われるもののうち、量がいちばん多いのはナトリウム、つまり塩分です。
水や麦茶だけをたくさん飲むと、薄まる方向に傾いて、かえってだるさが出ることがあります。
では、どうすればいいのでしょうか?
三つ、挙げてみます。
ひとつめ。
なるべく常温の水分を摂ること。
氷を入れないだけでも、胃腸の負担はずいぶん変わります。
ふたつめ。
冷たいものは、食事と時間をずらすこと。
食事中に冷たい飲みものを流し込むと、消化の火をいちばん必要な場面で冷やしてしまいます。
みっつめ。
たんぱく質は、消化しやすい形で摂ること。
冷奴、卵、白身魚、しらす。
お肉をがっつり摂るのはなかなか難しい季節ですから、量よりも消化のしやすさで選んでみてください。
また、食前に少し酸味を添えるのも、昔ながらの理に適ったアイディアです。
レモン水や梅干し、酢のものなどでも構いません。
これにより消化液が出やすくなると言われていて、前回お話ししたアップルサイダービネガーも、同じ考え方から有効です。
その上で、どうしても食欲のない日はそうめんだけでもいいと思います。
夏に食欲が落ちるのは、体がきちんと季節に反応している証拠でもあります。
全部を一度に整えようとせず、たんぱく質と、飲みものの温度。
まずはこの二つを気にかけていただけたら、秋になってから体がずいぶんと楽になるはずです。
ただ、食欲がないまま体重が落ちてきた、水もあまり飲めないといった時は、夏バテという言葉で片づけずに、早めに医療機関へご相談されることもご検討ください。
この回答は、メルマガ Vol.11(2026年8月9日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。