メルマガのバックナンバー / 腸と食事

Q&A

グルテンフリーは本当に必要?

Qグルテンフリーって、必要なのでしょうか。

Aこれは、ご質問をいただくことがとても多いテーマです。

そもそもグルテンとは、小麦に含まれるグリアジンとグルテニンという二種類のたんぱく質が、水を加えてこねられることで絡み合ってできる、網のような構造のことです。この網が生地の中の気泡を抱え込むので、パンはふくらみ、うどんにはコシが出ます。

大麦やライ麦にも、グリアジンとよく似た性質のたんぱく質が含まれています。ですからグルテンを控えるという場合、押し麦の入ったごはんやスープ、ライ麦パン、麦芽から作るビールなども対象に入ります。

では、なぜグルテンが問題になることがあるのでしょうか?

小腸の内側は、細胞と細胞のつなぎ目が普段はしっかりと閉じていて、必要なものだけを通しています。グルテンは、このつなぎ目を緩める方向に働くことがあります。緩んだところから、本来なら通らないはずのものが入ってしまう。リーキーガットと呼ばれる状態です。

そして免疫細胞は、その多くが腸のまわりに集まっています。腸の壁が緩めば、免疫の側もそれに反応することになります。お腹の不調だけでなく、疲労感や肌荒れとして表に出ることがあるのは、このためだと考えられています。

ただし、反応の強さは人によってかなり違います。グルテンに自己免疫反応が起きるセリアック病という病気があり、それとは別に、セリアック病ではないけれどグルテンに反応する体質もあります。

そのうえでお伝えしたいのは、小麦そのものが変わってきているという点です。

現代の小麦は、収穫量を上げるために品種改良を繰り返してきました。その過程でグルテンの含有量は増え、ミネラルの含有量は減りました。ですから「小麦が体に悪い」というより、「いまの小麦が、昔の小麦とは違うものになった」と考えるほうが正しいように思います。

では、どうすればいいのでしょうか。いきなり完全にゼロを目指さない、という姿勢が大事だと思います。完璧にできないと気が済まなくなって、かえって続かない方をたくさん見てきました。

まずは主食から見直してみましょう。毎日のパンや麺類を減らすだけでも、摂取する小麦の量はかなり減ります。なお、グルテンフリー専用の加工食品はおすすめしていません。高いわりに加工度が高く、栄養的にはむしろ劣ることが少なくないからです。ご飯、芋、肉、魚、卵、豆腐、野菜。普通の和食に寄せるだけでも、自然にグルテンは減っていきます。

そして、小麦を抜くことと同じくらい大切なのが、腸そのものを整えることです。亜鉛とビタミンD、オメガ3系の脂質、それに発酵食品と食物繊維。長い目で見ると、こちらのほうが効いてきます。

最後にひとつだけ。長期的な不調が続いている方は、小麦を抜く前に一度、医療機関にご相談ください。セリアック病の検査は、グルテンを食べている状態でないと正しい結果が出ないからです。先に抜いてしまうと、あとで調べたくなった時に、もう一度何週間もかけて食べ直すことになります。

この回答は、メルマガ Vol.15(2026年9月6日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。

NEWSLETTER

最新号は、毎週日曜の夕方に
メールでお届けしています

このページに載せているのは、配信から2週間たった号です。登録してくださった方には、最新号をいちばん先にお届けしています。ご登録の方には、無料ガイド『はじめての精密栄養学』をお送りします。

メルマガに登録する(無料)→

※ この内容は、精密栄養学の考え方と筆者自身の経験にもとづく一般的な情報です。病気の有無を判定したり、治療を行ったりするものではありません。体の感じ方や効果には個人差があります。気になる症状がある時は、自己判断なさらず、医療機関にご相談ください。