Qあまり食べていないのに、太ってしまうのはなぜでしょうか。
Aご質問ありがとうございます。同じお悩みをお持ちの方は、少なくないと思います。
精密栄養学を学んでいて、印象的だった言葉があります。
それは、「減量においては、血糖のコントロールが課題の大きな部分を占める」というものです。
はじめて聞いた時は少し大げさだと思いましたが、様々なクライアントの食事記録を拝見する機会が増えるにつれて、なるほどと思うようになりました。思うように体重が減らない時、食べた量だけでは説明がつかないことが多いのです。そこで見ておきたいのが、血糖の波です。
血糖が上がると、それを下げるためにインスリンが出ます。インスリンは、余った糖を脂肪として蓄えるほうへ体を動かすホルモンです。ですから波が大きく、回数が多いほど、体は蓄える側に傾いている時間が長くなります。
この波は、食事量だけではなく、その中身とタイミングで決まります。
食事の量が少なくても、その中身が糖質に寄っていれば、血糖は上がって、そして下がります。しかも下がった時につい口にしているものは、「食事」として記憶に残らないことも少なくないようです。ここには、ぶどう糖や果糖などを含む飲み物やお菓子なども含まれます。
では、そもそもなぜ糖に手が伸びてしまうのでしょうか?
背景はいくつかありますが、食事記録を拝見していていちばん多いのは、「たんぱく質の不足」です。
たんぱく質が少ない食事は、その分だけ糖質中心になりがちです。糖質中心の食事は血糖が振れやすく、上がったあとには必ず下がります。血糖値が下がった時に出てくるのが、空腹感、だるさ、集中力の欠如、気持ちの揺れなどです。
加えて、たんぱく質が不足すると、筋肉が減ります。筋肉は、食べた糖を貯蔵しておく場所でもあります。置き場所が少なければ、血糖は上がりやすく、そして下がりやすくなります。
そして厄介なのは、ここで食事の量を減らすと、かえってこのサイクルが進んでしまうことです。体は筋肉を分解してエネルギーを作るので、体重は確かに減りますが、減っているのは筋肉と水分であることが多いようです。見せかけの減少とも言われる状態です。
目安としては、少なくとも毎食15g以上のたんぱく質を意識すること。これくらいを確保できていると、筋肉量と代謝を保ちやすくなります。
そしてもうひとつ。体組成計をお使いなら、その日の体重という数値を単独では見ないことをおすすめします。増えたり減ったりしているのが水なのか、筋肉なのか、脂肪なのか。一日の数字ではなく、数週間の線として眺めてみると、より深くご自身のことを理解できるかもしれません。
この回答は、メルマガ Vol.15(2026年9月6日配信)のQ&Aからの転載です。からだや食事のご質問は、メルマガへの返信か [email protected] までお寄せください。